【開催レポ】商店街活性化セミナー&交流会 『まちかど塾 Vol.2』

商店街の活性化を目的としたセミナー&交流会の「まちかど塾」。
第2回目である12月3日の講師は、昭島市でブックカフェ マルベリーフィールドを営んでいる 勝澤光 さんでした。

富士見通り商栄会の方々を中心に多くの方にご参加いただき、質疑応答含めて活発な情報交換が行われました!

『地域の人たちのニーズとすり合わせしていく』

もともとはお父様の書店を継ぐことは考えておらず、建築資材メーカーに勤めていた勝澤さんですが、営業・購買・経理と、色々な部署で働くうちに「自分で会社を経営してみたい!」と思うようになり、2008年にお父様の書店に入社。

そして、そのタイミングで店舗(書店)を中神駅北口のロータリー前に移転し、勝澤さんの書店経営がはじまりました。

そして、書店経営をスタートして1年後、事件が起こります。
村上春樹さんの『1Q84』が発売されるということで、業者にたくさん発注していたにも関わらず、わずか数冊しか納品されず、せっかくの販売機会を活かすことが出来なかったそうです。

そうしたことから、なかなか本が売れず、苦しい書店経営を余儀なくされていた勝澤さんですが、ある時、お父様が知り合いから「たけのこ」を大量に貰ってきたことから、たけのこを店頭で販売することに。

しかも、たけのこが飛ぶように売れたことで、「これまでは店舗の場所が悪いと思ってたけど、もっと地域の人たちのニーズとすり合わしていくことが必要なんだ!」と思った勝澤さんは、2010年に「パンの販売」や「店頭でのコーヒの無料サービス」など、新しいことを試みながら、地域の人たちのニーズとすり合わせていきました。

そして、「ブックカフェ」という新しい業態への変更を思いついた勝澤さんは、中小企業診断士の先生に相談し、経営革新計画をとるなど、しっかりと計画を立て、3年越しで2013年にブックカフェ マルベリーフィールド』をオープンします。

書店っぽさが少なくなった(カフェっぽさが強い)ので、本を探している人(カフェ利用しない人)にとっては、すこし入店しにくくなったことが課題としてあるものの、飲食を中心に売り上げは伸びていったそうです。

『困ったときは、色々な人に相談して解決していく』

その後、2014年に対面販売窓口『カツサンド かつざわ』をキッチン横にオープンした勝澤さんですが、これは「居心地が良いブックカフェを作ったがゆえに、回転率が良くない」という課題を先輩経営者に相談したときに言われた「本を読みながら飲食できたら良いのでは?」というアドバイスにヒントを得てスタートした事業です。

そして、少しずつブックカフェの事業が軌道に乗り、メディアなどにも取りあげられるようになってきた勝澤さんは、「新しく創業した人たちが、ほぼ確実に2年後に撤退していく」という地域の課題に気づき、創業支援の必要性を感じるように。

そこで、別の場所を借りてコワーキングスペースやシェアオフィスなどを創ることを考えていたそうですが、シーズプレイスの森林さんに相談したところ「地下室があるなら、そこを使った方が投資も少なくて良いのでは?」とアドバイスを貰い、マルベリーフィールドの地下にあるスペースを改装。
2019年11月に、街の文化振興と創業支援を行うための多目的スペースをオープンされました。

質疑応答

質問①:もともと書店にキッチンはあったのか?(ブックカフェを始める前)
回答①:キッチンは無かったので改装した。また飲食での経験はなかったので、独学で勉強した。

質問②:お店への入りにくさは、どう改善していったのか?
回答②:外から見える場所に新刊を並べたりと工夫を続けているが、それでも、まだ入りにくさは残っていると思う。

質問③:本屋からブックカフェに変わったことは、すぐに地域に受け入れられたのか?
回答③:「まちの人」は長くやっているお店に信頼があるため、新しいことも「勝澤さんのお店がやることだったら大丈夫」と、すんなりと受け入れてくれる。また、チェーン店に飽きている人も多いので、小粒でも光る店を探している。そして「集まる場所」を求めている。

うさぎ屋さんの軽食&ドリンクを囲んでの交流会

第二部の交流会は、チャレンジ・ガーデン「THE KITCHEN」ご利用中の『うさぎ屋』さんにご用意いただいた軽食&ドリンクに舌鼓を打ちながら、引き続き、地域・商店街活性化についての話に花が咲きました。